Q.口元のたるみの手術って何するの?

切開の有無や効果の持続期間など、特徴の異なるさまざまな手術があります

口元のたるみを改善する手術と一口に言っても、さまざまな種類があります。大きく分けるとすれば、顔を切開する「切る手術」と、レーザーや注射などの「切らない手術」の2つ。それぞれの施術方法によって得られる効果や、持続期間は異なってきます。どれほどの違いがあるものなのか、詳しくご紹介しましょう。

「切る手術」は長期的な効果持続が可能

切る手術は、切開をして物理的にたるみを解消することで見た目を整える方法です。伸縮性のある糸を使用し、カーブさせながら皮膚に入れるスプリングスレッド手術は、よく動く表情筋のはたらきにも対応しているため持続性が高いことが特徴といえます。また、引き上げにくい頬にも作用するため、正面から見た仕上がりもきれいです。見た目と効果持続の両面で優れたこの方法であれば、数年後まで確実な効果を得ることができます。
また、皮膚の表面だけではなく、皮下組織の筋肉を引き上げるフェイスリフト手術は、たるみの根本的な改善が可能です。たるんでしまった筋肉を引き上げ、まるでたるみなどなかったかのような仕上がりが期待できるでしょう。施術後、年齢を重ねて少しずつ筋肉が衰えても、手術を行っていない同年代の肌老化に比べるとたるみ具合は少なく、若々しい印象を保つことができます。引き上げて除去した部分の効果は、一生持続するため、スッキリとしたフェイスラインは、実年齢よりもマイナス10歳、20歳若々しく見せてくれるでしょう。

ローリスク・ローリターンな切らない手術

たるみ改善のための手術を行いたくても、切ることに抵抗があり手を出せないという方は少なくありません。その場合におすすめなのが、切らない手術です。手術費用が比較的低価格なことや、術後のダウンタイムが短期間で済むことから人気を博しています。
切らない手術として増加傾向にある糸を使った手術は、糸で物理的に皮膚を引き上げたり、皮膚に糸を埋め込むことで組織を反応させたりして引き締め効果を狙うものです。切除をしないため傷跡が目立たず、比較的早く日常生活へ戻れますが、その反面で長くは効果が持続しないというデメリットもあります。溶けてなくなる糸であれば、術後のリスクは少ないですが、そのぶん得られる効果も少なくなってしまうでしょう。そのほか、糸を固定する箇所や結び目が緩みやすいことや、結び目をきつくしすぎることもあり、表情筋が動くたびに糸に負担がかかることなども起こりうるリスクです。糸の素材や形状もまだまだ改善途中にあるため、きちんと情報を集めたうえで施術にのぞむことが大切になります。

注入治療は手軽な反面、効果がわかりづらい

注入治療では、ヒアルロン酸などを注入ししぼみやくぼみをカバーしたり、ふくらみすぎた脂肪を除去しボリュームを改善したりする方法がとられています。しかし、これらはたるみの根本的な原因である筋肉の衰えには作用しないため、長期的な効果持続は期待できません。
特に口元は非常に動きが多く、ヒアルロン酸を注入しても意図した部位にとどめることは困難といえます。意図した部分とは違う箇所に流れてしまい、望むような効き目を実感できない可能性はあるでしょう。それだけでなく、意図せず流れたヒアルロン酸が、ほうれい線やたるみを強調してしまうケースもあります。
また、口元周辺は動脈が急に詰まってしまう「動脈塞栓」が起こりやすい部分。注入したヒアルロン酸が詰まってしまい、皮膚に腫瘍ができたり、失明などのトラブルに発展したりするケースも報告されています。手軽な印象の注入治療ですが、自身の悩み改善に本当に適しているかどうか冷静に判断しましょう。

たるみの原因を見つめ、自身に合った施術方法を

口元のたるみでも、そのたるみがどこから起因しているのか、いろいろなケースがあります。頬骨のあたりからのたるみなのか、口角が下がってしまったものなのか、自身の悩みと向き合い、専門家にしっかりと相談する必要があるでしょう。
たとえば、切る手術であればどれも同じというわけではなく、どの部分をどのくらい施術する必要があるのかは、たるみの程度によって異なります。身体に負担もかかり、決して安くはない費用も発生する手術です。まずは複数のクリニックに出向き、手術に関するカウンセリングを受けてみましょう。そこで提案される施術方法や提示される費用もの差異を把握し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。人によっては、切る手術と切らない手術のなかからいくつかを組み合わせた施術になるかもしれません。まずは選択肢を増やすことが施術法選びのポイントです。
とはいえ、慎重になりすぎて、効果の薄い施術方法を選んでしまっては意味がありません。手術を受ける際の効果と、そのリスクについてしっかり理解したうえで、自身の悩みをしっかり改善できる方法を選択してみてください。

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