放置すると体に不調?まぶたのたるみの原因ってなに?
高齢者の方に多いのが、まぶたがたるみ目が開きにくくなっている「眼瞼下垂」です。40代の方でもこの症状に悩まされている方が多いようですが、まぶたがたるむ原因とは何なのでしょうか?また、たるみが悪化して現れる症状についてもご紹介。
まぶたがたるむ主な原因とは?
上まぶたがたるんでくると、目が開きにくくなり、眠そうな印象を与えてしまいますよね。歳をとるにつれてまぶたのたるみを感じている方も多いと思いますが、一体まぶたがたるむ原因とは何なのでしょうか?
上まぶたが開きにくくなってしまった状態を「眼瞼下垂」といい、上方の視界が狭くなった、暗くなった、見えにくい、といった症状を感じるようになります。まぶたの中にある「眼瞼挙筋」という筋肉がまぶたを上げる力がなくなり、代わりにその上の額やこめかみの筋肉でまぶたを上げるようになります。すると額にしわができたり頭痛に悩まされたりといった症状を併発することにもつながります。通常高齢者の方に多い症状ですが、30代、40代でも悩んでいる方や、生まれつき眼瞼下垂の方もいます。
生まれつきではない場合の眼瞼下垂の主な原因のひとつは「加齢」です。年齢を重ねていく中で、まぶたの皮膚やその裏側にある挙筋腱膜が伸びてしまうために垂れ下がってしまいます。また、脂肪の減少も一因となります。加齢以外にも、紫外線、乾燥、洗顔のしすぎ、疲労、ストレス、花粉症、コンタクトレンズの長期間の使用などで皮膚がダメージを受けると、たるみが発生しやすくなります。
まぶたがたるんでいくメカニズムって?
まぶたを直接持ち上げる筋肉には「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」「ミュラー筋」の二種類があります。
まぶたの縁には「瞼板(けんばん)」という軟骨があり、眼瞼挙筋が縮むことによって瞼板を上げてくれ、まぶたが開くという仕組みです。ミュラー筋は緊張したり興奮したりすると縮む筋肉で、疲れたり眠くなったりしたときにはこのミュラー筋が伸びてまぶたが下がってしまいます。
このような仕組みでまばたきが行われているのですが、眼瞼挙筋が伸びきってしまったり、ひどい場合には眼瞼挙筋が瞼板から外れてしまったりすることで、まぶたが重くなり思い通りに上がらなくなってしまいます。
また、筋肉は正常なものの、皮膚が衰えたるむことによってまぶたが下がっているように見える状態になることも。どちらか片方のこともありますし、両方同時に起こっている場合もあります。
また、年々アイラインが描きにくくなっていると感じる方もいらっしゃるでしょう。それは脂肪や皮下の弾力成分が減少している証拠。これもまぶたのたるみの原因のひとつとなります。
まぶたのたるみ現象は、実はとても怖いこと!?
たかがまぶたのたるみと侮っていると、肩こりや頭痛など、体のあらゆるところに症状が出てしまうことがあるのでまぶたのたるみは放置してはいけません。
何らかの原因でまぶたがたるむと、目を開けようとして無意識にまぶたの筋肉、ミュラー筋が緊張します。ミュラー筋の収縮は交感神経と密接に関係しており、頭皮ともつながっているので、頭皮が全体的に力み、緊張した状態になります。頭皮が力むと首や肩も緊張し、首や肩のコリが悪化。そしてその状態が続くと慢性的な肩凝りや腰痛の原因になってしまいます。
また、開かないまぶたを開けようとして、眉毛を持ちあげる前頭筋が収縮され、額に横じわが刻まれる険しい表情になり、目が疲れやすくなってしまいます。
単に皮膚がたるんでいる人もいますが、黒目が70%以下しか見えていない場合は、眼瞼下垂症の疑いがあります。